【2017年版】エージェント不要!自分で簡単タックスリターン




この記事のポイント
  • タックスリターンは自分でできる!
  • 「居住者」と「非居住者」が重要(2016年まで)
  • PAYGは揃わなくても大丈夫!

はじめに

カンガルーくん
タックスリターンって色々面倒くさそうだな。エージェントに頼むか。
Kohei
そんなことないよ!超簡単だから自分でやってみよう!これから詳細を解説するよ!

こんにちは!

2015年5月から2016年の11月まで、1年半オーストラリアでワーホリしていたKohei(@maruchan_wt)です。

オーストラリアでワーホリを経験した誰もがこの時期直面すること、それがタックスリターンですね。

タックスリターン自体についての詳細は調べれば他にいくらでも出てくるのでここでは割愛しますが、オーストラリアで前会計年度(7/1〜6/30)に$1でも所得のあった人は、タックスリターンを行う義務があります。ワーホリも例外ではありません。

「タックスリターン」という慣れない言葉を聞くと、「難しそうだしまぁエージェントに頼むか」と多くの人が考えると思います。僕がオーストラリアにいた時も、多くの日本人がエージェントを通しているようでした。実際ネットでタックスリターンについて調べても、やり方としてまず書いてあるのが、「登録税理士に依頼する」です。

しかし!!

僕が声をにして言いたいのは、ワーホリの

「タックスリターンは自分でやるべき!!!」

費用がかからないだけでなくむしろ手続きも楽なので、エージェントなんか使う必要性は皆無!!!」

ということです。

その理由をこれから示します。

僕も2015/16年度と2016/17年度の2回、自分でタックスリターンを行いました。

たしかに最初はアカウントを作ったりいくつかの工程がありますが、手続き自体はほんとに拍子抜けするほど超簡単です。

2回目の2017年に関して言えば、ものの10分ほどで手続きが完了しました。

myTaxは世界でも先進的な確定申告のシステム

オーストラリアのタックスリターンはmyTaxというシステムを通してオンラインで行います。必要項目を入力していくだけでオンラインで全てが完結します。ワーホリビザを最初に申請したとき、「あれ?これだけ?」とあっけないくらい簡単でしたよね?

あんな感じです。

しかも世界中からいつでもどこでも行えます。僕も今回はポーランドから申請を行いました。

僕は日本でも確定申告を行ったことがありますが、いちいち税務署に出向いて、職員の指示通りに特設コーナーに設置されているパソコンにカタカタ打ち込んでいくというもので、なかなか面倒でした。理解ができず最後までよくわからない点もありました。

現在はオンラインでも申請が行えるようですが、マイナンバーカードICカードリーダーを用意しなければならず、手続きも煩雑です。国全体としても、オンライン申請が根付いているとはまだ到底言えないでしょう。

それに比べてオーストラリアのタックスリターンのシステムは、言語が英語であるというだけで手続き自体は日本の確定申告よりも格段にシンプルで簡単です。これだけ手軽にオンラインでいつでもどこでも申請ができる国は、世界的に見てもかなり先進的だと思います。

これなら自分でやらない手はないですよね?エージェントに$100前後の無駄な手数料を払う必要は全くありません。

タックスリターンを自分でやるべき人

結論から言うと、「オーストラリアに銀行口座があり」、「所得が給与所得のみの人」です。

ほとんどのワーホリは、この2つに該当すると思います。すなわち、オーストラリアでワーホリをしている/した人は、みんな自分でタックスリターンをするべきです。

逆にエージェントに依頼した方がいいのは下記のような人です。

  • 会計年度途中にオーストラリアを出国し、申請期間に入る前にタックスリターンを行いたい人

→特別な書類が必要になり、通常とは違う手続きになるため、エージェントに相談する必要があります。ただよほどお金に困っているなどの場合を除いて、申請期間になるのを待って自分で申請するのがよいでしょう。

  • すでにオーストラリアを出国して銀行口座も閉じてしまった人

→口座振込ではなく小切手で日本に還付額を送付してもらうことが可能です(僕も別件でオーストラリア政府から実家に小切手が届きました)。ただ換金には手数料が必要なため(それでもエージェントに払う手数料よりは安いと思いますが)、日本の口座に直接振り込んでほしい場合はエージェントに頼んだ方がよいでしょう。

  • 給与所得以外の所得がある人(不動産所得など)

他に書類等が必要になるはずなので、エージェントを通した方が無難でしょう。ただワーホリでオーストラリアに渡航し、不動産を転がすようなツワモノに、僕は出会ったことがありません。

  • べらぼうに稼いでいる人

→オーストラリアでの最大所得税率は47%です(年間所得$180,001=約1600万円以上の場合)。節税方法があるかもしれないので、税理士に相談するべきでしょう。それだけ稼いでいれば、多少の手数料なんて気にならないでしょう。

またタックスリターンの申請期間は基本的に7/1〜10/31です。うっかり過ぎてしまった場合、自分でmyTaxを使ってタックスリターンを行うことができません。翌年の申請期間を待つこともできますが、罰金が科される可能性もあるようです。エージェントを通すと翌年5/15まで申請が可能なので、多少の手数料を払ってもエージェントに依頼した方が得策かもしれません。

以上のような特別な事情がある場合は別ですが、僕が知る限りほとんどのワーホリは最初に書いた2つの条件に当てはまると思います。

ですので何度も言いますが、タックスリターンは自分で行うことを強くオススメします。英語が苦手でも、こういったことを乗り越えると少し達成感がありますよ!

まだ申告していない人は、10/31までに忘れずに申請しましょう。

myTaxを使ってタックスリターンを自分でやる方法

さて、前置きが長くなりましたが、実際にタックスリターンを自分でやる方法を紹介します。

基本的な流れは、

myGov(オーストラリア政府のサイト)のアカウントを作る

ATO (Australian Taxation Office) のアカウントを作り、myGovのアカウントとリンクさせる

ATOのタックスリターン用特設サイトであるmyTaxを使ってタックスリターンをする。

です。

やり方の詳細はみさPさんのこちらの記事が参考になるので、これを見ながらやってみてください。4ページに分かれて書かれていますが、実質後半2ページだけ読めばOKです。(みさPさん勝手に口出ししてすいません。)

超簡単!MyTaxを使って自分でタックスリターンをする方法

「え?大事なとこ他力本願やん!」とツッコミが来そうですが、とても詳細にわかりやすく書かれているので、改めてすべて書く必要はないかと思います。基本的にこの通りに進めていけば大丈夫です。

僕も2016年に初めて自分でタックスリターンを行った時は、このみさPさんの記事を参考にさせていただきました。

ただ記事を書かれているのが2014年なので多少変わっている点や、2016/17年度特有の注意点もありますので、そこだけこれから補足していきます。

タックスリターンを行う上での注意点

1)みさPさんの記事では最初にmyTaxかe-taxのどちらかを選択すると書いてありますが、オーストラリアのタックスリターンのシステムは、2016年以降は完全にmyTaxに移行しました。

したがって申告者全員がmyTaxを使うことになります。みさPさんの記事の2ページ目はmyTaxかe-taxの選択プロセスの詳細ですが、ここはスキップして大丈夫です。

2)ATOのアカウントを作るところで、「ATOに電話する」というプロセスが出てきますが、これは人によって出てきたり出てこなかったりするようです(僕の場合は出てきませんでした)。英語が苦手な人にとってはここが最大の関門になるかと思いますが、答えることは決まっているので、そこまで身構えなくても安心して突破できると思います。

3)みさPさんも【重要】と書いている項目ですが、myTaxで申請するところ(4ページ目)で、「居住者」かどうかの質問には、自分が「居住者」の条件を満たしていなくても【Yes】にチェックしましょう。【No】にすると追徴課税される可能性が高いです。この点に関しては詳しく解説します。

居住者」か、「非居住者」か?(2016年12月まで)

オーストラリアに滞在しているすべての人は、税制上「居住者」か「非居住者」に分類されます。「居住者」か「非居住者」によって税率が大きく異なるため、ワーホリにとってこれはタックスリターンをする上で最も重要な問題です。僕もオーストラリアに渡航した当初から、この点をかなり懸念していました。

居住者と非居住者の税率は以下の通りです。

【居住者】

課税所得         税率

$1〜$18,200         0%

$18,201〜$37,000     19%

【非居住者】

課税所得         税率

$1〜$87,000    32.5%

居住者であれば年間所得が$18,200以下であれば税率0%、すなわちこれまで源泉徴収でいくらか所得税を払っていれば全額が返還されるのですが、非居住者だと32.5%の税率が適用となり逆に追徴課税されることもあり得ます。

仮に居住者で年間所得が$18,200を超えていたとしても、その所得のうちの$18,200までの部分は非課税、$18,200を超えた部分に19%の税金が課されるので、そこまで大きな額にはならないはずです。年間所得が$37,000を超えると非居住者と同じ32.5%という税率がかかってきますが、ワーホリで年収が$37,000を超える人は、相当働いている人でない限りあまりいないでしょう。

オーストラリア政府の見解としては、ワーホリが居住者として認められる条件は「6ヶ月以上同じ街に居住すること」とされています。しかしながらこの点はとても曖昧で、グレーゾーンです。myTaxでのタックスリターンのプロセスを見ればわかるように、実際には「6ヶ月以上同じ街に居住したこと」を証明する項目はありません居住者かどうかの質問に、「Yes」か「No」で答えるだけです。実際には書類などでこれを証明することは困難ですし、書類の提出を政府から求められることもほぼあり得ないと思います。

ですので居住者かどうかの質問の項目では、自分が「居住者」としての条件を満たしているかどうかに関わらず、【Yes】にチェックを入れるべきだと考えます。

実際僕も1年半のオーストラリア滞在の中で6ヶ月以上同じ街に居住したことはありませんでしたが、タックスリターンをする上では「居住者」として申請し、そのまま「居住者」として認められています。

仕事を始めるときに雇用者と契約する書類の上でも、「居住者」に該当するところ(Australian resident for tax purposes)にチェックを入れていることが多いのではないかと思います。

(※もちろん非居住者と判定されている人もいるので、この点は自己責任でお願いします。また後述しますが、2016/17年度は税制の変わり目のため要注意です。)

PAYGは必要?

PAYG Payment Summeryとは、日本でいう源泉徴収票のようなものです。日豪プレスをはじめほとんどの情報にはタックスリターンをするための準備として、「すべての雇用主からPAYGをもらう必要がある」と書かれていると思います。

しかし特にいくつもの雇用主の元で働いていた場合、「PAYGが揃わない!」ということもよくありますよね。

ご安心を。ぶっちゃけこのPAYG、必ずしも必要なものではありません

先ほどのみさPさんの記事に沿ってmyTaxでの入力を進めていくと、最後にそれぞれの雇用主から自分がもらった給与の総額と、源泉徴収された所得税の総額が一覧で表示される画面に行きつきます。

ここですでにPAYGを発行してもらっている優良な雇用主の情報は、この画面上にすでに表示されているはずです。雇用主がきちんとATOに情報を送っているからです。この画面上の給与総額と所得税総額が、PAYGに書かれている額と一致するか確認しましょう。

しかしPAYGを発行してくれないような雇用主の場合、雇用主がATOにきちんと報告せず、この一覧に表示されてないことが多いかと思います。

僕も2016年にタックスリターンを行った際、2件の雇用主にPAYGを発行してもらえず、問い合わせても音沙汰なしでした。

そういった場合どうしたらいいのか?

実はこの画面から自分で情報を入力することが可能です。

自分がもらった最後の給与明細に、「会社名」「給与総額」「源泉徴収された所得税の総額」などの情報が記載されているはずなので、それを頼りに必要な情報を手入力で入力していきます。要は自己申告です。

そうすると元から記載されていた情報と同様に、自分で入力した情報も一覧に記載されて、返還(もしくは追徴課税)される税額合計(=Tax Estimate)も計算され直されていると思います。(写真が無いのでわかりづらかったらすみません)

あとは最後に”Lodge”のボタンを押してタックスリターン終了です!

簡単でしょ?

ちなみに晴れて納めた税金が返還となった場合、指定した口座に振り込まれる期間は通常2〜4週間程度と言われていますが、実際は1週間程度のことが多いようです。僕も2年連続で5営業日ほどで振り込まれましたし、僕の友達も同じくらいでした。

2016/17年度特有の注意点

オーストラリアのワーホリに関して2017年1月1日から大きく変わったことといえば、ワーホリ向けの税金、いわゆる「バックパッカー税」の導入ですね。

2017年からは「居住者」「非居住者」に関わらず、ワーキングホリデービザで働く外国人からは一律15%の税金が取られるようになりました(年間の課税総額$37,000まで、それを超えると累進課税)。

2017年以降しか所得のない人は単純ですが、ややこしいのは「2016年7月〜12月」と、「2017年1月〜6月」にまたがって所得のある人たちです。

この場合PAYGは2016年分と2017年分で分けて発行されるようです。その上で2016年7月〜12月の所得分に関しては、「居住者」か「非居住者」か判定されることになります。

調べてみる限り、2015/16年度以前のタックスリターンですでに「居住者」と認定されている場合には、そのまま継続して「居住者」と判断される傾向のようです。

しかし2016/17年度が初のタックスリターンの場合、残念ながら「非居住者」と判定されることが多そうです。

前年度に申告したタックス・リターンの際に居住者と認められた場合は、恐らくそのまま居住者で通るのではないかと思いますが、それも確実とは言えません。

2016/17年度が初めてのタックス・リターンの場合、居住者と認められるチャンスは少なくなることが予想されます。

引用元:日豪プレス【完全保存版】新会計年度がスタート 2017タックス・リターン特集① http://nichigopress.jp/account/money_spe/144597/

実際僕が知る限りでも、Twitter上でも「2016年7月〜12月の部分が非居住者判定されて追徴課税になった」という話をちらほら聞きます。

オーストラリア政府は非常に気まぐれで制度もコロコロ変わるため、このタイミングでオーストラリアワーホリを始めた人は本当に不運としかいいようがないのですが、制度の壁は越えられないので、諦めて認めるしかなさそうです。

当初32.5%で議論されていたバッパー税が15%まで落ちただけでもありがたいので、次年度以降でがっぽりタックスを返してもらえることを期待しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

実際にやってみるとわかりますが、タックスリターンの手続き自体は特に難しいところはなく、簡単にできると思います。

アカウント作成作業の必要がない2年目以降はさらに楽になり、ほんとに10分程度ですべての手続きが完了できます。

2017年以降は頑張って働いて貰った給料から一律15%のタックスが取られるのはもどかしいですが、今までワーホリの悩みの種だった「居住者」「非居住者」のしがらみからは解放されますね。

いずれにせよタックスリターンは自分で簡単にできるもので、通常エージェントを通すほどのものではないので、まだ申請していない方はこの記事やみさPさんの記事を参考にして、ぜひ自分でやってみてください!

きっと「なんだ、こんなもんか!」と思うと思いますよ!

タックスリターンについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの日豪プレスの記事が参考になるのでどうぞ。

なお今回の記事では、「メディケア」や「経費」など、大多数のワーホリが行うタックスリターンには関係がないもの、または影響が少ないものに関しては言及していません。

質問や「ここ違うと思うよ!」というような箇所があったらドシドシコメントくださいね。

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それでは!










2 件のコメント

  • 分かりやすかったです!ですが、タックスリターン する過程で working holiday maker net income というページが出てきて、二箇所入力しないとダメなのですが そこに何を入力するのか分からず、、

    • きよさん
      コメントいただきありがとうございます!
      このブログを始めて初めてのコメントなので、とても嬉しいです。
      その画面を見ていないのでなんとも言えませんが、察するにバッパー税が導入されてから出てきた特有の項目のようですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1989年生まれ。早稲田大学社会科学部卒。 大手電機メーカーに勤務後、ワーキングホリデーでオーストラリアに1年半滞在。 学生時代にバックパッカーとして10ヶ月間の世界一周の旅を行ったほか、東南アジア各国には何度も渡航。 「暮らすように旅する、旅するように暮らす」を20代のモットーに、トラベルライフを満喫中。2019年現在は語学系スタートアップの社員。